重心


 大きさのある物体では、重力は物体のどの部分にもはたらいているはずです。 物体を細かく壊したとしても、すべての破片に重力がはたらきますね。 ですから、大きさのある物体にはたらく重力の扱いはそれほど簡単ではありません。 でも、「力のつりあい」で学習したように、いくつかの力が物体にはたらくとき、それらの合力を求めることができます。 ですから、大きさのある物体でも、物体の各部分にはたらく重力の合力を求めることができるはずです。 それがわかれば、物体の各部にはたらく重力を代表させる力として利用することができます。 この合力の作用点を「重心」と呼びます。 重心は、物体の各部にはたらく重力を1つにまとめたとき、その力がはたらく点なのです。

 上に書いたことを正直に計算すれば、重心の求め方がわかります。 でも、ここではまず、直感的にわかる重心について見てみることにしましょう。 それは、

 対称性のある物体の場合、図形的な中心が重心である・・・ということです。 たとえば、

  • 厚さが一様な円の重心は中心です。
  • 太さが一様な棒の重心も中心です。
  • 厚さが一様な長方形の板の重心もその中心です。

 これを使うと、厚さが一様な三角形の重心がどこにあるのかも求めることができます。 ヒントは三角形を棒の集まりと考えることです。

tri0.gif (578 バイト)

三角形を1辺に平行な多数の棒の集まりと考えます。 棒の重心は、その中心ですから、棒の集合である三角形の重心も棒の重心のならぶ直線上にあるはずです。

もう1つの辺に平行な多数の棒の集まりとして三角形を分割した場合を考えると、やはり、頂点から向かいの辺の中点に引いた直線上に重心があるはずです。
 

三角形の重心は、両方の直線の上になければいけないので、これらの直線の交点が三角形の重心です。 

次に、一般の重心の計算方法を見てみましょう。


大きさのある物体の最初のページへ

Webテキストの目次のページへ

ホームページへ


これはWWW利用の実験のため神川 定久 が作成したものです。

Copyright(c) 1998 S.Kamikawa last update 1998.8.9

physics@kamikawas.com