第2回 物理研究委員会 報告
司 会 山口 真秀 氏( 長吉 )
日時 1999.5.26(水)
会場 府立長吉高等学校
- 研究委員の研鑽発表
- 山口先生 長吉高校の1年生の物理TA 中間考査について
力学(変位 速度 相対速度)のテストでできていないところを調べた。 イメージはつかめているが、計算や式の変形ができていない。特に割り算で引掛かる子が多い。計算力についてはやや問題があるようである。平均点は割に高いと思う。 式を分数でなく、割り算の形で与えてもよいのではないか。
- 宝多先生 アルキメデスの光線銃
最初は放物面で音波を集めてコップを割る実験をしたが、あまりうまくいかなかった。 それで、光を集めて温度を上げる実験に変えた。鏡面仕上げのステンレス板(畳1畳4500円)を使って凹面鏡を作った。2つの凹面鏡を組合わせると、声(音波)が遠くでもはっきりと聞こえる。赤外線(1000W×2のヒーターを120Vぐらいに上げて使っている)を凹面鏡で集めると紙に火がつく。紙はフラッシュペーパー(手品用に売られているもの)というものを使うとよく火がつく。
盥(直径 62cm)にアルミ蒸着シート(幅 90cm)を張って本管先生の空気抜きポンプで空気を抜くと大きくてきれいな凹面鏡ができる。太陽を 3mm位に集光することができる。
風船についたテープ(ギザギザがついている)を爪で擦ると風船から声が聞こえる。
パイプホン等の見学
- 渡瀬先生
3年の文型選択物理を実験だけで構成した。TAに近い内容のもので、今回はそのなかから電気シリーズのいくつかを見せていただいた。
生徒が作る箔検電器 発泡スチロールの台にアルミ板を切ったものを立て、アルミホイルを磨いてゼムクリップで取り付ける。(箔はアルミフォイルである必要はなく、紙やカセットテープでも可能)
いろいろな材質の布地を擦りあわせて帯電系列を調べさせる。
黒の色画用紙(電気を通すものがある)で等電位面を描かせる。
定電流装置(FETと抵抗で自作した)を使ってコンデンサーの電気量を測定する。
- 山田先生 3K(簡単・きれい・感動的)2Y(安い・手に入れ易い)1A(安全)の実験
3D眼鏡を使って液晶腕時計をみると黒くなってしまう。この眼鏡を折曲げて2枚を重ね、間にセロテープ等をはさむときれいな色が見える。
赤外線ランプの光を(アクリルの)大きなビー玉で集光すると紙に火がつく。
カレー(グルクミン)を中華麺(鹹水が入っていてアルカリ性)にかけると赤くなる。 ソース(酢が入っていて酸性)をかけると黄色に戻る。
赤外線を使った実験 テレビなどのリモコンで反射や透過の実験ができる。コーラ等の黒いものや手なども透過する。 太陽電池を受光部に使うと音で測定ができる。
- 部会・小委員会活動報告
- マイコン 神川先生 5/12 金蘭会高校
金蘭会がインターネットに接続したのでそれを見せていただいた。ISDNでLAN教室のハブに直接つないでいる。
Web text の紹介。最近は生徒からメールで質問が来るようになった。
今年の活動について
渡瀬先生から情報の授業についてお聞きした。
- 標準テスト委員会より 鈴木 健一氏(岸和田)
7/7に第1回の会合の予定 物理化学の合同なので、日程は動かせない。
物理委員会は7/7にはできない? 平野先生と調整する。
- 日本物理教育学会近畿支部より 檀上 慎二氏(四天王寺)
- 21世紀の理科教育を考える会より 川内 正氏(附属平野)
物理Uの「選択することができる」という表現は、普通は両方やって場合によっては選択してもよいという解釈が普通だということである。
- 幹事会報告 大塚 信之(四条畷)
- 総会 6/9 サントリー山崎醸造所にて
会長 森田先生 副会長 牧野 肥塚先生 西寝屋川 恵島先生
化学代表 加納高校の田中先生
役割分担 司会 川内先生 議長 本管先生
- その他
- 生徒対象の見学会について
阪大工学部は生徒対象の見学会を既に計画していて連絡が回る予定なので、そちらでお願いしたいとのことであった。理学部、基礎工学部も同様の連絡が来ている。
企業(住友金属工業)からも同じような連絡が来ている。鉄工所の見学会もある。
できれば生徒が装置を動かして実験をしてみるというような、体験型・参加型の見学会を考えてもよいのではないか。
今年は生徒対象の見学会は大学側に任せ、できれば参加して来年からの行事に向けて検討する。
今年の行事としてはHTML(ホームページ)の講習会を行う。専門学校と交渉して、次回に案をあげるようにする。
- 立命館大学での教育懇談会の報告
大学では生徒の学力低下が著しく、意欲がない。対策に頭を痛めている。 新課程の物理Uでは全てを教える形になることについて。 大学でも高校で量子力学を教える必要はないという意見をいただいた。 熱力学については熱の概念は知っておいてほしいが、それ以上のことは余り必要がないのではないかともいわれた。
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