97年度 第9回 物理研究委員会報告
司会 橋本 修一氏(近大附属)
日時 1998.1.21(水)
会場 大阪教育大学附属平野校舎
- 研究委員の研鑽発表
- 檀上先生
標準テストの作成のときに、うちあげ花火の反動についての話が出た。それについて実験をして、ビデオに採ってきたものを見せていただいた。必ずしもうちあげ花火でなくても、反動は充分測定可能(台秤)。車の中でのフーコーの振り子の実験は失敗した。ニュースで問題になったポケモンのシーンを見せていただいた。実験で使うストロボとはかなり違うことが分かった。
- マイコン,指導法,実験,教育課程部会・相対論教材作成小委員会活動報告
- マイコン部会
NEP(大学物理教材ネットワーク研究会)ミーティング報告
JavaScriptの教育利用の可能性
次回は2/4に大阪電子計算機専門学校でJavaの講習会をして頂くことになった。
- 指導法部会 中村 泰孝氏(四条畷)
世界最初のモーターの製作 ファラデーの作ったものの製作。
大気による光の散乱の原因(継続) 専門書を調べた結果の報告
クントの実験
教科書にのっているものについての議論をした。
光電管の不思議
逆方向電圧を大きくすると逆向きの電流が流れる?
- 実験部会
演示実験について、波動のテーマについての検討
問題集の解答の解説についての検討(導線には電位差がなくても電流が流れるか)
- 相対論
2/4旭高校で予定している。
- センター試験の問題に関する意見交換
- 問題数はやや多い
問題数は多くなっていないが、各問題の計算量などからすると、時間は足りなかったと思う。
- 出題範囲は適当である
弦を伝わる波の速さが張力の√に比例するということは記載していない教科書もある。手元にある教科書10冊のうち、4冊には記載がないので、採用する教科書によって有利不利がある。このような出題があるために、公式の数が増えていくのではないか。
- 出題範囲の割合は全体に平均している
- 難易度は全体としてやや難しい
・平均点で70くらいになるような問題であってほしい。
・第2問-B 問5は問4が正解できないと正しい選択ができない。問4も答え易いとはいえない問題だと思う。
・解答で文字式の変形を要する問題が多すぎるように思う。(第2-4,5
第4-5)
- 難しすぎる問題
・第4問-B このプリズムの問題は二次試験レベルの問題であると思う。普通の授業だけを受けていてできるとは思えない。解答の式も素直な形になっておらず、自分で出した答と選択肢の式の形が違うときに正解にたどりつきにくい。正解にたどりつく道筋が複数あり、正解の形が道筋で違うような問題は、基礎的な力の判定というセンターテストの意義に反していると思う。
- 出題の仕方や問いかけ方
・全体に選択肢の数が多く、計算量も多い。
・いくつかの問題で選択肢の式が素直な形でなく、解答の選択に手間がかかる。
・非本質的なところで差をつけるのは止めてほしい。(第2-2,4,5 第4-4,5)
・第2問-B 問5は問4が正解できないと正しい選択ができない。
・第3問-問3 不可逆変化は定積変化や等温変化などの定量的な取扱の場所では取り上げていない。この言葉は不自然な感じがする。
- その他の問題点
・第1-2 「ばねの伸び」は、「ばねの自然長からの伸び」とすべきでないか。
・第1-3 箔検電器の実験をしてみると、必ずしもこの通りにはならない。人体のアースを充分とり、手を離すときに帯電体を動かさないようにする等で結果が変わるので、かなり微妙な実験であると思います。
・第1-4 どのようなものであっても 電圧計の内部抵抗>電流計の内部抵抗となるわけではないのではないか。
・第2-A 小物体だから質点と考えればよいと思うが、寸法線が中心と下端に描かれていて統一されていない。
・第3-A 解答群のμ'とMの順序はμ'Mgの様な順序の方が見慣れており、式の途中にでてくると不自然な感じがする。
・第3-3 定積不可逆変化という言葉は高校で定着していないと思う。定積変化で不可逆変化と書く方がわかりやすい。
・第3-B 設定がわかりにくい。
・第3-5 同じ様な形の式が8個も並べられていると、非常にわかりにくい。
・第4-B 答の式の形がひねった形になっている。
・第5-1 図10と選択肢の図で、+−の記号の電荷量が同じであるとは書いていない。このままではBとCは同じだと思う。
・第5-5 同じ様な形の式が8個も並べられていると、非常にわかりにくい。E1とE2を別にする等、もう少しやり方があると思う。
- 来年度へ希望すること
・計算力を問う問題が多すぎると思う。少し減らしてほしい。
・物理は理科系受験者の比率が他の科目に較べて大きいにもかかわらず、平均点が他の科目より低いのは納得できない。
・探究活動については全く出題されていない。難しいとは思うが、作ってほしい。
・もっと定性的で物理的な深みのある易しい問題を出してほしい。
・選択肢は素直に選べるようなものにしてほしい。選択肢を見てから計算をやり直すようなものでは困る。
・前問ができなければ次の正解が選べないような出題は困る。
・予備校の出題予想が当っていた。一考をお願いしたい。
- 物理TAについて
第1-5-c
主役が発泡スチロール(空気を多く含む断熱材)なのか、アイスボックス(密閉容器)なのかで答が変わるように思う。他の問は比較の対象がはっきりしているが、cだけは何と何を比較しているのかが不明瞭。
第2-A
横軸が何であるかの記述が全くないので、具体的なイメージが
わきにくいと思います。せめて時間軸か、空間軸かぐらいは示してほしい。
第2-4
フロッピーディスクやハードディスクも実際には図2bのような信号で情報を記録しており、それをdの様にデジタイズしている。少し問題があると思う。
- 標準テスト委員会より 平野 裕一氏(豊島)
現在実施校から統計を頂いているところである。
- 日本物理教育学会近畿支部より 檀上 慎二氏(四天王寺)
- 1/24(土) 滋賀大学で物理教育研鑽会
- 神戸の科学の祭典の冊子の配布(カンパ)
- 大阪の科学の祭典の案内(3/21,22)
- 21世紀の理科教育を考える会より 川内 正氏(附属平野)
代表交代(山田先生→川内先生)と第2回〜第5回の会のまとめ
物理・化学の研究委員会とは独立の会であり、委員の募集をしたい。
現在は新課程の指導要領についてや、環境について議論をしている。
環境防災小委員会が発足した。
- 新理科検討委員会報告 筒井 和幸氏(旭)
物理の新しい内容についての提案を出そうとしている。
理科総合と、物理T・物理Uについて案を作っている。
旧選択物理の内容からさらに項目を減らす方針。
1/28(今宮) 新理科検討委員会の予定
- 幹事会報告 大塚 信之(四条畷)
来年度の体制・所属と50周年記念事業については次回に継続
アンケートのまとめの報告
- その他
- センターのサーバーに物理研究委員会のホームページを作る件
とりあえず来年は神川先生のホームページのミラーページをセンターに置くことにしたい。ただ、これは研究会のホームページなので、ずっと神川先生にしていただくわけにはいかない。研究会で係を作るなど、時間をかけて考えていきたい。11年度にはきちんとしたい。
- 兵庫物理サークル 春の講演会へのお誘い
高校物理と相対論・量子論のこう宴会を行うのでふるって参加をしてください。
大阪の相対論の講演会と交流をしたいと思っている。