96年度 第10回 物理研究委員会報告


日時 1997.2.19(水)

会場 大阪市立工芸高等学校 1号館 1階 第1理科室
   大阪市阿倍野区文の里町 1-7-2 06-623-0485,FAX 06-623-8419

  1. 研究委員発表
    1. 府立岸和田高校にのこる物理実験機器(1) 仲岡 靖純氏(岸和田)
      蒸気タービン模型岸和田高校は明治30年に創立され、今年が100周年にあたる。1996年春より開始された校舎立替えに伴い、100年近くを経過した多くの物理実験機器がある中、大正15年購入の蒸気タービン模型を見せていただいた。
    2. 第7回理科教育フォーラムなど 平野 裕一氏(豊島)
      • 2月8日に理科教育フォーラムがあった。産業界からは平均的な人以外にいろいろな個性を持った人(自分で課題を作って取り組める人)もほしい。という意見が出されたり、代々木ゼミの方から、ここ10年予備校でも手取り足取り教える必要が増えてきたという話があったり、普段あまり話を伺うことがない方の話が聞けて興味深かった。
      • 比較的簡単に行える運動量保存の実験と跳ね返り係数の実験を行った。跳ね返り係数の実験で高さが違うのに跳ね返り係数が一定になるのを意外と面白がっていた。
      • 相対論の教材を作る小委員会を作ってはどうか。(呼びかけ)
        物理的な基礎知識を持たない生徒でも相対論には興味を持ってくれる。相対論だけなら速さの式と相対速度、ピタゴラスの定理で説明できる。座標軸やローレンツ変換を表に出さない。光速度不変の原理のようなものは物理的な原理として教える。
        来年度、部会とは別に参加者を募集するのはどうか。研究委員以外でもこのようなことに興味を持っている方に参加していただけるのであればいいのではないか。
    3. 磁性スライムについて 檀上 慎二氏(四天王寺)
      スライム1PVAをビーカーに取り、水で2倍に薄め、65度ぐらいで湯煎する。4酸化3鉄(黒錆)や色素を入れ硼砂(Na2B4O7・10H2O)の飽和溶液を入れて激しくかき混ぜると重合する。黒錆を入れたものは磁石に吸い付くが、これが先日、日本テレビの「投稿!特ホウ王国」でまるで生物のように扱うと言う非科学的な取り上げ方で紹介された。数分で作ることができる実験なのでさっそく授業でも取り上げたが、このようなテレビ局の非科学的扱いについて意見が聞きたい。また、この番組のビデオなどがあれば連絡してほしい。 なお、磁性スライムの下に磁石を置き、しばらく放置するとスライムの表面は等ポテンシャル面の形になる。ホームページでも紹介している。

      スライム2
      スライム3

    4. ドキドキ実験室(シャボン玉熱気球) 山田 善春氏(市立工芸)
      高温の空気を使ってシャボン玉を作ると上昇気流がなくても上昇した後、冷えて下降してくる。

    5. 入試問題より
      電荷Qを球殻で包んだ時、電荷Qが中心になくても外部の電場は球殻の中心に電荷Qがある時と同じになるという入試問題があった。考えさせる問題ではあるが、理解しにくい。

  2. 部会活動報告
    1. マイコン部会 神川 定久(寝屋川高校)
      次回は2月26日(水)に天王寺商業で行うので、今回は報告なし。

    2. 指導法部会 中村 泰孝氏(四条畷)
      • 内部エネルギーと熱エネルギーについて
        内部エネルギーのうち一部を熱エネルギーと呼ぶのは高校では誤解しやすいので、あまり適当ではないのではないか。いずれにしても取り扱いには工夫を要する。
        heatとthermalの違いは?
      • 3層の液を作る方法
        この3層の液を回転させるとどうなるか。

    3. 教育課程部会 筒井 和幸氏(旭)
      2/12(水)旭にて
      次年度のテーマについて話し合った。まず、平成5年から9年までの教科書の需要数を調べて教科の履修について調べてみたい。平成5年と9年をとりあえず比較してみる。(各学年の生徒数をどうするか)
      旭高校の3年生に行った課題研究のレポートがどのようなものであったかも見ていただいた。

    4. 実験部会 藤田 利之(牧野)
      やってみようなんでも実験のFAXを紹介された。
  3. 平成9年度全国理科教育大会について 大塚信之

    研究協議(9)これからの理科教育(カリキュラム・入試も含む)で教育課程部会から意見提示する。

  4. 標準テスト委員会より 平野 裕一氏(豊島)
    特になし。

  5. 日本物理教育学会近畿支部より
  6. 21世紀の理科教育を考える会 山田 善春氏(市立工芸)
    1月24日新理科検討委員会の拡大委員会に参加した。 中高の一貫教育などについて、飛び級などの話題とともに考えていく。 全体のカリキュラムを考える必要がある、中高一環のスリム化で今まで螺旋状に理科を履修してきたものを削減の対象にされることはないのかという意見も出された。 環境教育を理科が行うなどの意見はどうか。

  7. 新理科検討委員会報告
    2月8日の理科教育フォーラムに参加した。 今後の具体的な案などについて、共通履修の内容については探求を重視した上で、それを通して学んだものが体系付けられるような物にしたい。 中学、高校で無駄を無くしていきながら、大学などに出していく内容も検討している。 物理の内容で削るとしたら何を削れるかという大胆な意見がほしい。

  8. 幹事会報告 大塚 信之氏(四条畷)
  9. その他
    1. その他
      大日本スクリーンのホームページなどの紹介。
    2. 大塚氏
      研究紀要を抄録にしたものをサーバーに載せることについて。
      様式を決めておいて部会などが作成したデータをそのまま載せる。
      データの構造をどうするかを決めておかないといけない。
  10. 以降の計画
    見学会  3月 5日(水)
     11回  3月26日(水)