96年度 第5回 物理研究委員会報告
日時 1996.9.18(水)
会場 大阪教育大学附属高等学校平野校舎 3F 物理実験室
大阪市平野区流町 2-1-24 06-707-5800,FAX 06-709-1711
- 研究委員発表
- 簡易スターリングエンジンの紹介 宝多 卓男氏(長吉)
青少年のための科学の祭典・八戸大会で宮城県立聾学校の大塚洋一先生に
教えていただいたスターリングエンジンの紹介。 試験管にビー玉を入れたもの
の先にゴム栓をしてシリコンチューブを使って注射器につないでおき、試験管を
輪ゴムで横向きにつるすように支えておく。 その試験管の底をアルコールラン
プなどで熱するとビー玉が試験管の中を行き来しながら、試験管がピストンに押
され、シーソーのように運動する。
- 夏休み自由研究課題(1) 紙だけを使って丈夫な台を作る (四条畷高校 大
塚氏、大手前高校 小山氏、旭高校 筒井氏)
B4版の更紙2枚とセロテープ30cm 以内を用いてできるだけ丈夫な高さ10cm
以上の台を作るという自由課題を3つの高校で出した。 四条畷高校では強度と
ねじれに対する強さ等を考えた台が12kg 以上に耐えた。 大手前高校では作っ
てきたものは少なかったが、切るときにはさみを使わずに定規とカッターで切る
、できるだけバランスよくおもりを乗せる等の点を考慮したものは11kg以上に耐
えた。 旭高校では国際教養科の生徒が多く参加した。 やはり、強度とねじれ
等を考慮したものが丈夫であったが、適当な重りがなく8kgまでしか調べられな
かった。
- 夏休み自由研究課題(2) 笛を作ろう (四天王寺高校 檀上氏)
夏休みの間に自由に笛を作ろうという課題を出した。いろいろな作品ができ
たので
ホームページでも紹介している
。本を見てそのまま作ってきたものも多いが自分でいろんな工夫をしたもの
もある。リードを持ったタイプとエッジに気流を吹き付けるタイプのものがある
。エッジに気流を吹き付けると鳴るのはなぜかという疑問も出された。乱流の振
動ではないかという意見や、中公新書にそのような解説を書いたものがあったと
いう発言があった。
注、中公新書「楽器の音色を探る」安藤由典著
- 夏休みのホームワーク (市立工芸高校 山田氏)
夏休みのホームワークとして自由研究体験報告読書感想文発明工夫の中か
ら自由に選択し、報告書を提出させるという課題を与えた。楽しんでやってくる
ようにという指示を与えただけだが、摩擦などを使ったおもちゃをデザインした
ものや、回り灯篭の羽の部分の形をいろいろ変えてまわりやすい構造を調べたも
の、グランドキャニオンの体験報告など多彩なものが提出された。高校生の行動
半径はかなり広がっているようである。
- 部会活動報告
- マイコン部会 神川 定久氏(寝屋川)
前回は全国理科大会東京大会の大阪会場の報告、大塚先生が作成された球面
レンズの焦点のできかたを示すソフトの解説、第一学習社の教科書の指導書に付
属しているソフトの紹介、パピー製販のRS232Cを使ったADコンバータのソフトの
紹介(以前よりも増えている)等。 次回は10月9日天王寺商業にて
- 指導法部会 中村 泰孝氏(四条畷)
- 電流(電場)の伝わる速さについて(大教大天王寺 井上氏)
電池から離れた位置にスイッチを付け、途中にいくつかの電球を直列につない
だときどのような順序で電球がつくのか議論した。これをうまく説明する方法と
実験で確認する方法があれば次回に紹介してほしい。
- 物理TAの授業(1学期)実践報告(勝山 永井氏)
光と音の単元を演示実験を本に結果を予想したり、理由を考えながら授業を
進めた。その授業ノート、定期考査、生徒の授業に対する感想などの報告。
- 三色の色コマをまわすとどんな色に見えるか。
赤、青、緑の三色の色コマを回転させてもあまり白に見えないのはなぜだろ
うかという問いかけに対し、色調の問題があるのではないかとの意見が出された
。 灰色に見えればいいのではないかとの意見もあった。
- 96年度 早稲田のちょっと変な入試問題 (続編)(大教大平野 川内氏)
- 珍発明:びっくり箱型「灯油容器台」 (茨田高校 川端氏)
- 次回は10月30日(水)教育大附属天王寺校舎 2:30〜
- 実験部会 沢登 啓氏(吹田東)
授業で活用できる演示実験集作成に向けて。フイルムケースのふたに少し
の重曹を入れ、ティッシュペーパを糊付けしてふたをしておく。ケースに少し酢
を入れ、先のふたをしてさかさまに置いておくとしばらくしてケースが勢いよく
飛ぶ。
- 教育課程部会 筒井 和幸氏(旭)
昨年度「21世紀の理科教育を考える会」が生徒を対象として実施した「これか
らの理科教育に関するアンケート」の結果の分析と、新しい科目の内容について
- 文系・理系、学年、理科を学ぶことについての必要性の感じ方と学びたい科目
、理科の学習に望むことの関係を分析する。
- 分析結果によっては、改めてアンケートを作成し、10月初めに実施する。
例えば全日制普通科、文型コースで理科が不必要と考えている生徒が、高校
でどのような理科の授業を望んでいるかを見てみると、「浅く広く」「環境」が
多く、次に「最先端」が多いといったことがわかる。
次回は10月16日(水)
- 平成8年度全国大会報告
- 東京会場 全体協議の会場が広い割には参加者が少なかったり、研究協議の会
場が狭く立ち見の人が出たりした。 会場のバランスを考えてほしい。 研究協
議そのものは有効な議論がなされ満足できるものであった。
- 大阪会場 前日のセッティングおよび、当日の午前中まではNTTのフェニック
スが不安定で、心配したが、本番では安定した通信ができて安心した。研究協議
としてはフロアの意見もよく出た方だと思う。 なぜテレビ電話を使うのか理解
できないという意見もあったが、来年の大会でも同様のシステムを使うというこ
とも予定されている。 しばらく試行錯誤をしてもし、教育にとって不必要であ
るとわかれば自然になくなるであろう。
- 標準テスト委員会より 平野 裕一氏(豊島)
今年度はIBおよびII、IAの標準テストを作る。
現在、昭和58年度から平成7年度の間に行われた標準テストから良問を精選
し96ページ程度の問題集の原稿を作成する準備をしている。
- 日本物理教育学会近畿支部より
- 11月9日に行われる物理教育研究集会の発表の原稿を9月30日(月)正午まで受
け付けている。
- 物理教育セミナーを12月14日(土) 10時〜17時に大阪大学共通教育棟で行う
予定。 内容は「物理教育の現状と展望」の討論と「中学、高校における実験へ
の提案」の予定。
- 湯川記念講演会 10月12日(土) 13:30開演 豊中市立中央公民館にて
- 目における光・電気信号変換の仕組みとその進化
大阪大学理学部 徳永史生教授
- ニホンザル社会の変遷
大阪大学人間科学部 糸魚川直祐教授
- 21世紀の理科教育を考える会 山田 善春氏(市立工芸)
現在もメンバーを募集している。 中高6年制についても検討する必要があ
る。
- 新理科検討委員会報告
今後の方向に関しては現在の所まだわからない。 とりあえず現場の要求は
すべて犬丸会長の所へ集約するようになっている。 大阪の活動としては、21
世紀の理科教育を考える会などを中心に大阪の案を出していけばよいのではない
か。
- 全国理数科教育研究大会について 小山 秀興氏(大手前)
10月2日〜4日 ホテル 大阪ガーデンパレスにて。
10月3日(木)の昼頃と4時30分から実験書を販売する予定だが、販売を手伝っ
ていただきたい。
- 幹事会報告 大塚 信之氏(四条畷) すでにどの程度実験を行っているのか
に関するアンケートを実施している。
見学会のアンケートについては、めったに見られないもの、日本原燃の工場
、大日本スクリーン製造、通産省技術研究所、PHS等生徒に身近な通信につい
ての見学といった意見があった。
- 2学期以降の計画
6回 10月23日(水) 四天王寺高等学校
7回 11月13日(水) この前後に研究集会
8回 12月 4日(水)
9回 1月22日(水) センター入試講評
10回 2月19日(水) 11月 3月26日(水)