96年度 第3回 物理研究委員会報告


日時 1996.6.19(水)
会場 大阪府立旭高等学校 南館 2階 物理実験室
   大阪市立高殿5-6-41 TEL06-951-3133 FAX951-7501

  1. 研究委員発表
    1. 宝多 卓夫氏(長吉)
      自作したエジソン蓄音機について
       広島文教女子大学 初等教育学科 教授 原田正治氏が考案された紙コップとアルミ箔で作るエジソンの蓄音機を紹介された。
    2. 平野 裕一氏(豊島)
      • 東京大会での意見提示要旨について
        「理科教育と大学入試(1)」
        • 基礎基本の理解度を確認する標準的な問題
        • 最新の物理現象や物理学の応用例を素材にして高校生の学力でも理解できるように誘導した問題
        • 身近に体験できる物理現象や社会的に関心のある物理現象を扱った問題
        などが従来型の筆記試験の内容として好ましいと考えられる。
        • 面接方式で物理に関する質問に答えさせる方法
        • 論文形式で物理に関する質問に答えさせる方法
        • 与えられた実験装置を用いて実験を行う実技試験
        など生徒の多様な能力を評価する機会を増やすという意味で積極的な導入が望まれる。

        関連して、今年の近畿の大学の入試問題の紹介。
         甲南大学の実験の問題などは会場で紹介するかもしれない。

      • 東京大会での研究発表について
        探求の過程を重視した「重心」の指導
         以前に研究会で紹介した内容について研究発表する。

      • 豊島高校での授業実践より
        「落下運動における生徒の意識調査」
         重いボールと軽いボールを自由落下させるとどちらが先に落ちるか等、授業前に実施したアンケート「落下運動の謎に迫る6つの疑問」の集計結果について。
         アリストテレス的な発想による回答とともに、放物運動では、重力の向きを正しく答えることができている。  生徒の答えの理由付けの統計も興味があるのではないかという意見が出された。
    3. 山田 善春氏(市立工芸)紙上報告
      1. 科学教室「熱気球をあげよう!」実施報告
      2. サイエンス友の会ニュースより ドキドキ実験室
      3. 東京大会第1分科会での意見提示について
         夢と感動を与える物理の授業 −郷土玩具の教材化−
    4. 檀上 慎二氏(四天王寺)
      • 超小型ビデオカメラで相対速度
         相対運動は、教室で演示しながらの説明がわかりやすいと考えられ、超小型ビデオカメラソニーCCDPC1の使い方を工夫された。  その映像をSK電子製のトランスミッタで飛ばし、室内アンテナで受けるという方法で、運動している視点から見た別の物体の運動をテレビ画面に映し、直接見た場合と比較させる。  テレビ画面は視野が狭いため背景の影響をあまり受けず、計算で求めた相対速度のように「見える」
      • 授業で勢力的に取り組まれている物理実験の内容を順次、インターネットのホームページに掲載、物理教育の交流の場を広げられている。
  2. 部会活動報告
    1. マイコン部会 神川 定久氏(寝屋川)
       前回はNTTのご厚意でフェニックスを実際に操作してみた。  アプリケーション共有機能を用いてリモートのNetscape2.02に表示したJavaのアプレットを操作する実験を行ったが、画面が乱れて実用的ではなかった。  当日はJavaのアプレットを表示する別の方法を考えるべきである。  次回は7月3日天王寺商業にて

    2. 指導法部会 中村 泰孝氏(四条畷)
       物体の内部エネルギーと熱エネルギーの使い分け、光の干渉の指導法についての疑問点、牛乳パックを使った手作りカメラなどについて検討した。

    3. 実験部会 沢登 啓氏(吹田東)
       授業で活用できる演示実験集作成に向けて。 フイルムケースをバブで飛ばすなどやってみた。

    4. 教育課程部会 筒井 和幸氏(旭)
       1年での共通の科目と次に選択する物理の内容について。
       物理をI、IIに分けるより1つの教科書で最低限履修する事項を指定しておく。  それ以外の事項については学校に合わせて必要な内容を教えるという形を考えている。

  3. 平成8年度 全国理科教育大会(東京大会)について
    7月31日 全国理事会、研究代表者会議
    8月1日 総会、記念講演、全体協議
      2日 研究発表、研究協議(TV会議)、現地研修

  4. 標準テスト委員会より 平野 裕一氏(豊島)
     今年度はIB、IIに加えてIAを作りたい。

  5. 日本物理教育学会近畿支部より 物理教育を考える会
     6月22日(土)大阪市立大学文化交流センター
     6月29日(土)甲南大学
     7月6日(土)京都大学
    において開催。18大学の入試問題を検討するので、積極的に参加してほしい。

  6. 21世紀の理科教育を考える会 山田 善春氏(市立工芸)
  7. 新理科検討委員会報告
     全国大会での意見提示の資料の準備などを行っている。

  8. 総会等報告 大塚 信之氏(四条畷)
    1. 秋の研究集会会場校の決定について
       研究集会を開催してもよい学校があれば申し出てほしい。

    2. レーザー普及セミナー
       レーザー光が拓く新しい地平線
       7月23日(火)大阪科学技術センター
    3. 第4回物理研究委員会特別講演について 中山氏(高槻北)
      • 7月10日(水) 午後4時〜5時
      • 講演演題 「最近の進路指導事情について」
          −大学入試改革の変遷に見る−
      • 近畿予備校副校長 鈴木 集蔵氏  京都府立向陽高校校長、京都府立嵯峨野高校校長、京都府立山城高校校長、京都橘女子大学事務局長、京都橘女子高校校長から関西文理学院予備校校長を歴任。  平成7年4月より現職。
         各校で教育改革に勢力的に取り組まれた豊かな経験に基づき、大学の入学試験の改革の変遷と21世紀では、どのような方向が考えられていつのかについて講演していただく。  その背景をもとに高校の理科教育に求められるものについてご一緒に考えてみたいと存じます。
         PTA活動にも、意欲を持っておられ各校で講演されています。

    4. 滋賀県高等学校理科教育研究会 松井 一幸氏(県立高島)より
       研究紀要「滋賀科学」を寄贈。  本委員会中回覧しますが、詳しく読まれたい方には、大塚氏に申し出てください。
       2学期に授業参観と大阪−滋賀の合同研究会を滋賀県で開催する計画

    5. 2学期以降の計画
       第5回  9月18日(水)
        6回 10月23日(水) この前後に原子力懇談会の講演会
        7回 11月13日(水) この前後に研究集会
        8回 12月 4日(水)
        9回  1月22日(水) センター入試講評
       10回  2月19日(水)  11月  3月26日(水)



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