温度


 「温度」というのはもともとは私たちの暑さ、寒さ、暖かさ、冷たさの感覚を数値的に表したものです。

 私たちは日常生活でセルシウス度(中国語で攝爾修→摂氏→セ氏温度、単位記号℃)を使っています。 これはスウェーデンのセルシウスが水の沸点を0度、氷の融点を100度として間を100等分する温度目盛りを提案したことを元に、その定義を逆転して氷の融点を0℃、沸点を100℃と決めたものです。 日本ではこの温度目盛りが常識となっていますが、他の国では別の温度目盛りも使われています。 例えばアメリカではドイツのファーレンハイトが定めた、水、氷、食塩を混合したときの温度を0度とし、氷の融点を32度、人間の体温を96度とする温度目盛りファーレンハイト温度(中国語で華倫海→華氏→カ氏温度、単位記号°F)が使われていました。 このように、温度目盛りには国によって違いがあります。 そこで、理論的に妥当な温度目盛りが「絶対温度」として決められました。

 絶対温度では温度目盛りを導入したイギリスのケルビン卿(本名はウィリアムトムソン)にちなんで、単位はケルビンになります(単位記号は K )。 また、温度の下限(セルシウス度で−273.15℃、原子や分子が運動しなくなる温度)が0 Kになり、温度目盛りの幅(温度差)1 Kはセルシウス度の1℃と等しくなります。

 したがって、セルシウス度 t.gif (844 バイト) と絶対温度 cap_t.gif (854 バイト) の関係は、

            cap_t.gif (854 バイト)t.gif (844 バイト)×(1 K/℃)+(273.15 K)

になります。 (1 K/℃)は単位をケルビンにそろえるためにかけています。 たとえば、氷の融点は 273.15 K になります。

 今の考え方では、「温度」は物体を作っている原子や分子の運動エネルギーの平均値を表すような物理量です。 分子運動がはげしくなる(運動エネルギーの平均値が大きくなる)と、一般に分子間の平均距離が大きくなります。 そのため、原子や分子の運動エネルギーの平均値が大きくなると、多くの物体は体積が大きくなります。 水銀温度計や、アルコール温度計は、この体積増加を測定することによって、原子や分子の運動エネルギーの平均値の変化を測定しているのです。

次に、熱と仕事の関係をまとめておきましょう。


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